札幌に活動の中心を移したときからお世話になっている札幌音楽家協議会の機関紙で、昨年生誕150年を迎えたロシアの作曲家、ラフマニノフを特集することになり、2018年にロシア、タンボフ州イワノフカの「ラフマニノフ博物館」を訪れたときの体験を書くことになりました。原稿の締め切りは今月末なので、かなり慌てて書いています。
その4年前の2014年にクリンの「チャイコフスキー博物館」を訪れたときに詳しい話を聞いてぜひ訪れたいと思い、2018年に実行に移しました。
旅の様子はこちらからご覧になれます(文中の航空機、列車の時刻、為替レートなどはすべて当時のものです)。
ロシアだより2018 第1回(全6回) - ピアノのある部屋から (hatenablog.com)
(第2回以降は「関連記事」からリンクできます)
原稿を書くにあたってもう一度すべてを読み直し、写真なども見たのですが、懐かしさとともに今は行くことができない悲しみがこみあげてきて、ときどき泣きながら書きました。
いろいろな人たちに助けられてやっとたどり着いたラフマニノフ博物館…次に来るときは花の季節(5月下旬から6月上旬、彼の歌曲「リラの花」にもあるように、リラの花をはじめとする多くの花が咲きほこる季節です)にして、コンサートも聴いて、といろいろ夢を膨らませていたのですが、その夢はまだ夢のままになっています…
2020年5月にロシアに行く予定で航空券を予約してあったのですが、コロナ禍で飛行機が運休になってしまい、あえなく断念…
そして、コロナ禍に終わりが見え始めた2022年、ロシアのウクライナ侵攻によって、イワノフカはますます遠くなってしまいました。
何とか早く戦争が終わって欲しいという多くの人々の願いもむなしく、戦争の終息のきざしは見えません。ロシアの国内もいろいろなことが変わってしまったという話も多く聞こえてきます。
イワノフカへ行くときに拠点にした州都タンボフに移動するときの列車で一緒になった家族はサラトフの人でした。ウクライナとの国境から遠くないところなので、ときどきニュースにサラトフの地名が出てくるたびにどうしているだろう、と思っています。
タンボフで本当にお世話になった露日協会タンボフ支部の秘書イリーナは、その後結婚してモスクワに移り、さらに夫君とともにグルジア(ジョージア)のトビリシに移住して、昨年双子の男の子のママになりました。彼女とはSNSでときどき連絡を取り合っていますが、いつか必ず再び会えることを信じてお互いにそのときを待っています。
一日も早く戦争が終わって、またあのラフマニノフ博物館の景色に再会できますように。ロシア音楽の神髄を感じさせるあの場所をもう一度訪れる日が来ることを心から願っています。