ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

小学校高学年、中高生から始めるピアノ

 その昔、ピアノというと小さい時から始める習い事、というイメージがありましたが、うちの教室には小学校高学年、中学生、高校生になってからピアノを始めた人もいます。小さい頃に始める人はやはり親の影響でピアノに触れる人が多いと思いますが、この年齢になると自分で「習いたい」という意思を持って教室に来ますので、皆非常に向上心があります。

 理由は様々ですが、やはり兄弟姉妹がピアノを習っていたという人が多いですね。以前に妹が先に入会してきて、その後お兄ちゃんが「男はピアノを習ってはいけないのか?」と親に言って後から入会してきたことがありました。このお兄ちゃんも小学校5年生くらいだったと思います。

 あと、コンサートに行ってピアノを習いたくなったという人もいます。札幌市では市内の全小学校の6年生を対象にした「ファースト・コンサート」を音楽の授業の一環として札幌コンサートホールKITARAで行なっています。先日もうちの教室の6年生の生徒さんが行って、レッスンのときにその感動体験を語ってくれました。コロナ禍でしばらく中止になっていたようですが、復活したのはとても嬉しいことですね。

 

 この年齢から始めた人の教材はやはり他の方と同じように入会の前にお話をさせて頂いて、その人に一番合ったものを選んでいきます。中には非常に熱心に練習してくるので小さいときに始めた人より進みが速い人もいます。ただ、譜読みや暗譜の速さに関しては早期教育を受けた人のようにいかないこともあります。このあたりは大人の初心者に近いかも知れません。しかし時間をかければ必ずできるようになるので、こちらでレッスンの中でいろいろ工夫をこらし、ソルフェージュ力がつくようにしていきたいといつも考えています。

 

 来月に迫った教室の発表会に挑戦する人もいます。小さい頃よりも年齢が上がるにつれて緊張度は大きくなると思いますが、発表会が彼らにとって心に残る体験になるように精神面でもできるだけのサポートをしていきたいと思っています。