ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

パーヴェルのメール

 8月に父が逝ってから1か月半、来週はいよいよ四十九日を迎えます。この間、母も私たち姉妹もとにかく目の前にあるものを片付けながら必死で生きてきたという感じがします。

 自分のピアノの練習のモチベーションは…やはり落ちましたね。現実に起こっていることに気持ちがついていかず、混乱してしまうことも多々ありました。ウクライナチャリティーが終わったあと心身ともに虚脱状態だったのですが、発表会の日時が決まり、大人の生徒さんが続々と曲を決めていくのを見て、自分の練習も何とかしなければならないと思い、久しぶりにロシアの師匠パーヴェル(ネルセシアン)にメールを書きました。

 札幌にきたときに父と何度も会っていた彼は、訃報を知らせたときとても心を傷め、丁寧なお悔やみの言葉を送ってくれていました。

 

 貴女にコンサートがあってよかった…こういう辛いときにはコンサートが助けになってくれる。練習しなさい。

 

 返信にはこう書いてありました。

 

 彼自身が親を見送ったとき、とにかく練習して練習して乗り越えたのでしょう。どんなときであっても練習ペースを崩すことがないその精神力に、また改めて凄いと思いました。ピアノを一生の仕事にするということは、人生の中で何が起こったときでも練習をやめてはいけないということなのだと思い知らされました。

 12月のソロリサイタルは来年8月12日に延期しましたが、私には今年11月にもう一つ関係者のみの小さなオンラインコンサートが残っていました。このプログラムで彼のオンラインレッスンを受けられることになったので、とりあえずこれを新たなモチベーションを上げるきっかけにして頑張ってみようと思っているところです。