ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ロシアだより 2014 その2

 前回の続きです。
 
 6月18日(水)
 朝、強い腹痛で目が覚めました…あわててトイレへ…
 幸い1回で治まったので、朝食に降りて行きました。
 朝食は何とか食べられたものの、部屋に戻ると目まいがひどくて起きていられません。
 前日の学長事務室では、3人のロシア人の前でこの学校にレッスンに来た経緯などを説明しました。そんなに長い時間ではなかったと思いますが、私には何時間にも思えるほど長かった…
 どうやらこれはキツすぎたようです。
 タチヤーナ・ニコラエヴナ(ピアノのタチヤーナ・ラーコヴァ先生の敬称)は、この日コンクール審査のためレッスンはお休みでした。
 
 仕方ない…今日は一日休もう…

 いともあっさり決心がつきました。
 折角モスクワまできたのだから、行きたいところは山ほどありました。ノヴォデーヴィチ修道院マヤコフスキー博物館、クレムリンの武器庫だってもう一回…
 でも、今はリサイタルの準備の方が大切です。パーヴェル(ネルセシアン)との2台ピアノの合わせだって、疲れてボロボロなままではうまく行かないでしょう。もう無理がきく年でもない…

 そのままこんこんと眠りました…
 
 お昼すぎに目が覚めて、お腹がすいていたので、2階の「ジンタン」という名前の中華料理店へ。ここには韓国料理やナンチャッテ日本食もあります。

 ここでうどんとアイスクリームを食べて、部屋に戻ってまた眠りました。

 4時くらいに客室係からの電話で一度起き、今日は掃除はいらないと断り、また夜まで眠り、夕飯も食べずに更に翌朝まで…

 これでキレイに疲れが取れました。例のトランポリンのようなフカフカベッドにもようやく慣れて、ぐっすり眠れるようになったのです。一日棒に振ったという思いは湧きませんでした。

  
   6月19日(木)
 この日からまたレッスンが始まりました。前日爆睡したおかげで元気になりました。この日はチャイコフスキーの「四季」、6月から12月まで。やはり、レッスンを受けるといろいろと新しいイマジネーションが湧いてきます。日本語一切なしのロシア語だけの世界でしかわからないものも確かにあります。 
 しかし、やはり練習できなくてはどうにもなりません。私がFacebookに「練習できない」と書いたのを見たモスクワ音楽院に留学中の友人が、練習場の情報を寄せてくれたのはとても有難いことでした。でもやはり学校で練習ができないものかと思い、レッスンのあとタチヤーナ・ニコラエヴナに直訴…
 「何とか学校で練習できないでしょうか?明後日にはパーヴェルとの2台ピアノの合わせもあるし、レッスンでのあなたの貴重なアドヴァイスも忘れてしまうかも知れません」
 そう言うと、彼女は黙って隣の部屋を使わせてくれました。
 もう、トイレに行くのももったいない、という感じで、レッスンのあと2時間近く頑張りました。
 
 本当は学校が閉まる9時まで粘りたかったのですが、さすがにそこまでは体力がもたず、7時半頃に学校を出て、ノーヴィアルバート通りまで5分くらい歩き(早く暗くなる時期はここまでの道が怖いのです)、ドームクニーギへ。ここは大きな本屋さんですが、CDや文房具などもあります。
 2階で楽譜や地図などをひととおり見た後、1階のCD売り場へ。日本では手に入らないものもたくさんあります。しかも日本よりも格段に安い…
 とにかく、持てるだけ買いました。いろいろ買いすぎてバッグが重くなり、帰りの地下鉄で少し腰が痺れてきてしまった…こんなところでヘルニアが再発したらタイヘンなので、お買いものにはご用心…です。 
 
 8時過ぎでもとても明るくて夕飯という感じではないのですが、アルバーツカヤ駅のところにあったカフェに入りました。やはり、テーブルでメニューを見て頼めるところが良いようです。マックのようなセルフサービスのところは、メニューを読むのがノロいので、焦って失敗もありました。

 つづく