ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

ロシアだより 2014 その1

 8月23日(土)に札幌コンサートホールKITARAで行われるリサイタル「ロシアピアニズムとロシアバレエ3」の準備のため、6月16日から23日までモスクワへ行ってまいりました。

  6月16日(月)
 前泊していた成田のホテルを8時過ぎに出発。空港でチェックインと出国手続きを済ませて、JALのサクララウンジへ。ここでようやく一息…これからJAL441便にてモスクワへ向かいます。

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 今回はビジネスクラス(JALマイレージバンク特典航空券)なので、食事もとっても楽しみ…
 実際とてもおいしかったけど、量が多すぎて完食はムリでした。
 タチヤーナ・ニコラエヴナ(ピアノのタチヤーナ・ラーコヴァ先生の敬称)と今回のリサイタルの2台ピアノのパートナー、パーヴェル(ネルセシアン)へのお土産に買った白樺をイメージしたカップは割れるのが心配だったけど、ゆったり置くことができました。
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 10時間ほどのフライトでモスクワ、ドモジェドヴォ空港に到着。ここで飛行機を降りたら、おそらく帰りにここで乗るまで全く日本語のない世界が待っているのです。
 少々緊張しながらモスクワへの第一歩を踏み出しました。
 到着ロビーに出てみると、予想していたとおり白タクのクモスケどもの客引きの嵐…前から絶対に応じてはいけないと言われているので、無視してタクシーカウンターの方へ行こうとすると、彼らは私を遮ってカウンターの方に行かせないようにするのです。
 一回断ったら引き下がる相手ではないことはわかっていましたが(クモスケどもも生活がかかっている)そのしつこさには唖然…
 3年前、ベラルーシミンスクに行ったとき、ここで乗り継ぎをしていて空港の中がよくわかっていましたので、乗り継ぎをするふりをして彼らをかわし、国内線側のタクシーカウンターからタクシーを予約してようやく乗り込みました。料金は1800ルーブル(約5000円)、前に来たときより安くてほっとしました。
 1時間ほどで宿泊先のコスモスホテルに到着、ここは前にも泊まったことがあります。多少都心からは遠いですが、地下鉄駅からの近さが決め手でした。ここで一週間を過ごすのです。
 チェックインしたらすぐにホテルのWi-Fiをつないで、まずパーヴェルに無事着いたと連絡を入れました。タチヤーナ・ニコラエヴナの初回のレッスンはすでに決まっていましたので、あとは彼がいつ2台ピアノの合わせを入れてくれるかです。
 さすがに長旅で疲れを感じたので(時差の関係でこの日は一日が29時間になっている)、早く休もうと思ったのですが、日の入りは午後10時半なので、9時くらいでもまだ外はキンキンに明るい…

  6月17日(火)
 ホテルのトランポリンのようなベッドは、腰の悪い私にはとても辛くて、首が痛くて目が覚めました。身体は全く休まっていません。
 困ったなあ…
 朝食に行って戻ってくると、パーヴェルから連絡があり、合わせは21日土曜日の11時、モスクワ音楽院213番教室と決まりました。
地下鉄で出かけると、最寄りのヴェーデーエヌハー駅はすべて自動券売機になっていて、チケットも大きく変わっていました。「共通券」と書いてあって地下鉄、バス、トロリーバス、市電がすべて乗れるらしいが、1回券が40ルーブル(約110円)と割高…モスクワ地下鉄のHPも見てみたのですが、よくわからなかった…
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 3時からモスクワ音楽院附属アカデミー(音楽院とは場所が違います。徒歩5分くらい)でタチヤーナ・ニコラエヴナのレッスン、リサイタルで弾くチャイコフスキーの「四季」全曲です。
 何年もかけてあたためてきたレパートリーですが、ずっと弾いていると気ままになってしまっているところもあり、1フレーズごとにチェックが入りました。リサイタルまでにこれを全部まとめて自分のものにするのは大変です。この日は前半、1月から5月まで。
以前は学校使用料を払えば、練習室の使用は自由だったのですが、レッスンのあとタチヤーナ ニコラエヴナに手伝ってもらって学長事務室に聞きに行ったのだけど、学校の生徒でないと練習室は使用できないと言われました。このロシア語のやり取りはかなりキツかったです。
 挫折感と身体が休まっていない疲れでボーっとなりながら、地下鉄でホテルに戻りました。
 ベッドに入ってもやはり休まらない…レッスンも2台ピアノの合わせも良いコンディションで臨みたかったのに…でもここはロシアだ、あれこれ言ってもしょうがない、慣れるしかないと観念。でももう限界でした…

 つづく