ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

左手の練習

 毎朝 スケール(音階)やタッチの練習をしていてこの頃とても重要視しているのが左手の練習です。
人間の手は左右対称ということは決してなく、多くの人は「利き手」があると思います。ピアノにおいてはこの「利き手」でない方の手の訓練がとても大切です。

 最近気づいたことは自分の左手(私は右利きなので)の鍵盤上での向き(角度)がおかしいということ…ピアノの鍵盤は平面なので、腕が水平に自由自在に鍵盤上を動くことが求められます。
 体調を崩してピアノの練習を休んだとき以来、自分の左腕は自由に動かそうとするとどこかで引っかかるのです…

 まずい方向に行っている…

 考えた末 以前毎日やっていた左手だけのスケールとアルペジオ(分散和音)の練習を再び始めることにしました。スケールやアルペジオは右手と左手が同じことを弾くものが多いので、いつも両手だけで弾いていると右手に押されて左手の音を聴くことがおろそかになります。生徒さんにもときどき左手だけ(左利きの人は右手だけ)でスケールを弾いてもらうと「自分ってこんなに弾けなかったっけ…」と絶句するほど弾きづらいようです。

 やっぱり毎日やろう…
 そう決めて今週から始めました。

 思ったとおりとても弾きづらい…ひじから手首、手の向きに細かく神経を使いながらゆっくりさらう…(上りより下りがキツイ)まだ前と同じ速さでは弾けないので1時間の基礎練習が1時間15分になってしまった…でもやらないよりやった方が絶対に良いのです。
 それにしても不思議ですよね。練習を休んでいたときは両手同じように動かなかったのに、テクニックが戻ってくると左右差が出てくる…それだけ利き手は強いんですね。

 6日後に迫った2台ピアノのコンサートで弾くのはバッハ、ピアノを習っている方や以前に習っていた方は思い当たると思いますが、バッハは左手も右手と同じようにメロディーを弾く曲が多いのです。
 この曲も例外ではありません。今 気がついて本当に良かったです。

 何とかコンサートまでの最後の5日間を頑張りたいと思います。