ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

バロックダンス講習会

 8月31日、母校の国立音楽大学の北海道同調会が主催した「バロックダンス講習会」に行ってきました。
 バッハを始めとするバロック時代の作品で、忘れてはならないのがフランス組曲、イギリス組曲やパルティータなどに含まれるアルマンドクーラント、ガヴォットなどの舞曲です。これらは17、8世紀のヨーロッパの宮廷で踊られていたものですが、これらがどんな踊りなのかわかって弾いている人は日本では非常に少ないのではないかと思われます。
 長年バレエをやってきた私も、実はこれらがバレエの前身でもあったのに、どんな踊りなのか知りませんでした。興味はあったので以前「栄華のバロックダンス」(浜中康子著)という本を買ってきましたが、本の中の舞踏譜(どう踊るかが書いてある譜)はあまりにも難しく、本を全部理解できたとは到底言い難い状況でした。
 そんなときに同調会で超初心者向けに一日だけ講習会をするというので、願ってもない機会だと思い、申し込みました。

 まず「動きやすい服装で」と書いてあって迷いました。私のイメージではわりとゆっくりした動きだろうと考えていたので、スカートが良いのかパンツが良いのか、上はレオタードの方が良いのか…結局、先生から足が見えた方が良いと思ってパンツにし、靴は運転に使っている軽いものにすることにしました。

 最初にバロックダンスの背景と例の舞踏譜について簡単な説明があった後、まず足のポジション、バレエと同じく一番から五番までありますが、バレエのように180度に開くのではなく、90度だとのことでした。これがだんだん発展してバレエのポジションになって行ったのでしょう。
 しかし足のポジションが90度というのはなかなかバランスが取りにくいものでした。バレエのように180度に開くと自然と内腿を引き上げてバランスを取りますが、90度でプリエ(膝を曲げること)をすると外腿に力が入ってしまうのです。これが正しいのかそうでないのかはたった一日では分からなかった。もっと時間をかけてやって行くうちにどこを意識するのが正しいのか分かるのでしょう。

 その後、メヌエットとブーレの音楽に合わせて少しずつ動いてみることになりました。90度のポジションでプリエをするとかなりグラグラします。簡単な振りですが、とても振りをなぞるどころではありません。本来、バロックダンスの靴は踵のあるもののようで、どうも踵のない靴だとバランスが取れないようです。バレエのキャラクターシューズの方が良かったかも知れません。
 結構汗が出て、足がパンパンになりながら(翌日ヒドイ筋肉痛)、何とか音楽に合わせて動いているうちに、何となく少しだけリズムがつかめたような気がしました。しかし、これも奥が深いもの、たった一日ではバロックダンスのほんの入り口に立てたにすぎません。でもまた機会があったら続きをぜひやってみたいと思っています。