ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

あすなろコンサート

 今月7日に大久しぶりにあすなろコンサートに出演いたします。
 あすなろコンサートは、私が長年ご一緒させて頂いている日本音楽家ユニオンが「遠隔地の子どもたちに生の音楽を」という趣旨で、あまり音楽会などが開かれない遠隔地の学校に音楽家を派遣して行うコンサートです。
 子供の感性が非常に鋭敏なものであることは、日々ピアノのレッスンをしていて感じるところなので、私はこの企画に大いに賛同してきました。やはり子どものうちにしか感じられない世界があると思います。
 特に北海道は人口密度が低く、交通の不便な場所が多くあり、音楽会に行くにも車で何時間も走らなければならないところが存在します。そういう子ども達が生の音楽を知らないまま大人になってしまうのは残念なことだと思うのです。

 今回伺うのは、北海道音更町(帯広の近く)の音更町立南中音更小学校で、ヴァイオリン、トランペット、ヴィオラの方と私の4人です。プログラムは大体1時間前後で、良く知られた曲を中心に構成されています。
 久しぶりにアンサンブルができるので、私はもうそれだけでワクワクしています。

 今度の日曜日にリハーサルです。
 コンサート当日は朝集合して車で行くとのこと、札幌からだと3時間以上はかかるので、朝の弱い私は何時に出るのかは大いに気になるところです…

 昨日のレッスンに来た小学校3年生の生徒さんの学校にも音楽鑑賞教室が来たそうです。感想を聞いたら、「マリンバの音が水の音のように聞こえてとてもきれいだった。忘れられなくてピアノの教本の人魚の絵を見ていたの」と言いました。
 やはり生の音は彼女の心の中に忘れがたい記憶を刻んだのでしょう。子どもの心の柔らかさ、そして鋭さを改めて感じた瞬間でした。

 南中音更小学校の子ども達が生の音楽をこのように感じてくれたら嬉しいですね。頑張って演奏してきたいと思います。