ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

千代の富士逝く…

 先週の日曜日、ピアノの練習に疲れて何気なくスマホのニュースサイトを開けてみると…
 
 千代の富士死去、
 
の文字が…茫然としてそこで練習を中断してしまいました。
 癌の手術をしたという記事は読んでいましたが、この頃はあまり相撲を見ていなかったので、名古屋場所を休んで入院していることも知りませんでした。

 千代の富士横綱だった頃、私は夢中になって相撲を観ていました。国技館に行ったことはなかったのですが、幕内取り組みまでに家に帰れないときは毎日録画し、雑誌も買っていました。今ならどこにいても結果をすぐスマホでチェックできますが、当時はそんなものはなく、優勝決定戦を観るために街中の大型スクリーンのところによく走ったものです。
 当時ピアノへの若い情熱に燃えていた私は、特に自分と同年代の北勝海(現、八角理事長)が千代の富士に鍛えられて横綱になるのを見ていて、何事も稽古あるのみだと思いました。
 子供の頃からずっと外国の文化である西洋音楽をやってきた私にとって、自国の文化が生んだ相撲は何か新鮮に映ったのかも知れません。

 千代の富士が引退した後、私はパッタリ相撲を観なくなってしまいました。何か土俵にポッカリ穴が空いたような気がしてすっかり観る気を失ってしまったのです。
 今は実家で両親が観ていればチョコチョコと観る程度です。時代は変わり、世界中から相撲志願者が集まるようになり、外国人力士が増えました。
 日々ロシア語で苦労している私は、外国人力士の日本語の上手さに驚嘆し、今や日本の中でも特殊な世界である相撲界に外国から来て、どれだけ苦労をしたのだろう、といつも思ってしまいます。