ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

町内会費

 昨年の怪我から復帰し、今年は演奏回数も増えてきました。昨年の今頃はまだやっと怪我した右手を動かし始めたところで、演奏活動はお休みしてレッスンだけを細々とやりながらのんびり暮らしていました。家にいる時間も多く、右手が不自由ながら少々家のことに目を向ける余裕がありました。
 しかし、今年はそういうわけにはいきません。まるで止まっていたものが動き始めて行くようにやらなければならないことが次々に降ってきました。特に先月末、ラヴェルのコンチェルトの本番のため東京へ行く前は本番の準備以外にもやることが山積し、気がつくとまた家のことは後回しになっているのです。

 2週間ほど前、毎年4月と10月に集める町内会費を4月30日から5月1日の週末に集金するという連絡が入りました。ちょうどこの日は東京に行っているときだったので、出発の29日の朝に班長さん宅へ行って支払ってから出かけるつもりでいました。

 しかし、この日は北海道は大荒れの天気…道東の方は雪が積もったところもあったほどの荒天で、札幌も強風が吹き荒れていました。5時に目が覚めてJALのサイトを見ると、東京行きのすべての便に!マークがついていて、条件付き飛行の可能性ありとなっていました。
 この日の夕方、ラヴェルのコンチェルトのレッスンを入れていた私は焦りました。昨年2月吹雪による飛行機の遅延のため、当日レッスンをキャンセルして先生にご迷惑をおかけしたことがありました。スケジュールの関係で前日28日には出発できなかったのに、どうしてももう一度レッスンを受けたくてムリにレッスンを入れていたのです。4月だから吹雪はないとも思っていたらこういう事態…
 また当日キャンセルになっては大変だと思った私は、早く家を出て乗れる便に乗って行こうと焦って家を飛び出しました。
 この時点で町内会費のことはきれいさっぱり忘れてしまっていたのです…

 強風にもかかわらず飛行機は定刻に飛んで無事レッスンを受けられました。30日に本番も終え、翌1日の深夜家に帰り着いてみると、郵便受けに班長さんからの手紙が…

 しまった…

 なぜ今まで思い出さなかったのか…

 翌朝早速班長さん宅に行き、平謝りしてお支払いしました。

 演奏会が多くなると私が留守することが増え、どうしても近所の方にお世話になることが多くなります。うちに誰もいないときは向かいの家の奥さんが我が家に目を配って下さっています。(この方には頭が上がりません)なるべく近所の方には迷惑をかけないようにと思っていた矢先にまたしても失敗です…
 皆様に支えられて何とかここで暮らしていけているので、できることはやりたいと思っています。