ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

 普段寝つきが非常に悪く眠りも浅いため、夢は頻繁に見ます。その日に見た夢を覚えていないこともありますが、最近よく感じるのは、その時の心理状態をよく反映しているものだということです。

 やはり、コンサートが続いていて夜、興奮状態で寝なければならないときは眠りも浅いのでしょう。よく夢を見ます。私の場合、極度に緊張しているときは何故か誰かを怒鳴っていたり、悪態をついている夢が多いのです(笑)。
 また、音楽家仲間でよく話題になる「よく見る夢」に、コンサートの出番が数分後だというのに何も用意ができていない、という夢があります。
 これは私もよくあります。私の場合この手の夢の中には大抵、昨年の札幌でのリサイタルで2台ピアノのパートナーをつとめてくれたパーヴェル(ネルセシアン)が出てくることが多いです。やはり、彼との共演は自分の限界まで力を振り絞ったものだったからでしょう。舞台袖で彼が横にいて今まさに出ようとしているのに、私だけ髪はボサボサ…着ているのはジャージだったりして、焦って焦って目が覚める…
 リサイタルから1年以上たってもこんな夢はよく見ています。

 夢は占いの対象にもなっていてよく縁起が良いとか不吉だとか言われます。その真偽のほどは私にはわかりませんが、一度だけ「これは不吉だ…」と思った夢がありました。
 今年の3月に手を怪我した日の晩に見た夢は何とも不気味なものでした。
 寂しいだだっ広いところを私は一人で裸足で歩いていて、まわりには蛙や金魚の死骸が一面に散らばっていました…
 「この怪我は大事になるのではないだろうか…」
 目覚めたとき私はそう思ったのです。
 実際、この不安は的中し、私は6か月に渡って舞台を休まなければなりませんでした。
 怪我が治って9月に舞台に復帰してからはこんな夢は一度も見ていません。

 まあ、あまり考えすぎると何も手につかなくなってしまうので、適度に楽しみながら夢を見ているのが良いですね…前述のような不気味な夢はもう御免こうむりたいところです。