ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

マスタークラスに向けて

 ようやく 本来のピアノのテクニックが戻ってきました。現在 音の厚いラフマニノフの曲もさらっています。連休が終わったあたりから8月のパーヴェル・ネルセシアンのマスタークラスの受講曲、プロコフィエフの「ロミオとジュリエットからの10の小品」の練習を始める予定です。
 腰を痛めた2月20日から明日で2ヶ月…実際はその前のヨールカ祭で演奏したとき(2月11日)も何かおかしいと思って弾いていましたので、3ヵ月近く…私にとって本当に辛く、長い時間でした。

 痛みが一番ひどかったとき(3月4日くらいまで)は「今でよかった。もっと後だったら大変だった」と思っていました。腰の痛みが取れればすぐにまた元通りに弾けるものだと考えていたのです。
 しかし 激しい痛みで硬直した筋肉はすぐには元には戻りませんでした。腰は体の要とはよく言ったものです。痛む箇所をかばいながら1ヶ月以上たった3月の終わり 今度は背中から首にかけてがひどく凝ってきて指が動かなくなってしまったのです。それまで続けていた週3回のバレエの稽古が全くできなくなって極度の運動不足になったこともあったのでしょう。

 このまま 元に戻らないかも知れない…

 私は 目の前が真っ暗になるほど動揺しました。

 結局 腰の専門医である父の指導で上半身の体操を日課として2週間ほど…凝りは徐々に取れ、弾けるようになってきました。そうすると精神的にも安定し、松葉杖をついてでも行けるだろうと開き直れました。このまま進めて行ければ何とか8月には間に合いそうです。
 8月の前に何度か東京へ行って先生に「ロミオとジュリエット」のレッスンを受けてきたいのですが、できるかどうかはまだわかりません。

 現在 パーヴェルが講師をつとめる毎年恒例のカワイのマスタークラス「ロシアン ピアノスクール」は受講生募集の真っ最中です。(5月31日まで)これには録音審査があって(課題曲あり)申し込みと一緒に録音も提出することになっています。まだ腰に不安を抱える今 自分の満足のいく演奏の録音が作れるとはとても思えません。
 あのとき 彼が八王子の主催者に連絡して私を入れるように頼んでくれなかったら、今年はあきらめざるをえなかったかも知れません。

 いろいろな幸運が重なったのだと改めて思う今日この頃です。

 この1週間で下半身の痺れがかなり取れ、足に力が入るようになってきました。そして足を意識しなくても歩けるようになりました。今週末からリハビリの運動を本格的に始めます。