ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

日本ピアノ教育連盟オーディション

 春から続いたコンクールもこれで今年最後です。
 昨日はうちの生徒さんが出演した高校生部門を聴きました。課題曲はベートーヴェン ソナタ「田園」第1楽章、シューマン ソナタ第2番 第1楽章、ブラームスハンガリーの歌の主題による変奏曲」、ラプソディop79-1の4曲の中から1曲を選択します。

 高校生になると課題曲もぐんと難しくなりますが、それ以上にただ教えられて弾くのではなく、自分がどう感じてどう表現するかということが重要な要素になってきます。
 また 課題曲を省略せずに全曲を弾かせることによって曲全体をまとめ上げる力をみていることも大きな特徴だと感じました。(そのため一人の演奏時間が他のコンクールに比べて長い)多くのコンクールや試験ではソナタ形式の曲は再現部に入ったところで後を省略します。このためか 再現部に入った途端にミスが多くなり、準備不足を露呈してしまった人もいました。

 また一番選択した人が多かったシューマンではテンポが通常以上に速くなる人が多く、途中で速いパッセージが転んだり、小節の最後がおろそかになっていた人がいました。やはりこの曲を選んだうちの生徒さんも 同じ曲を弾いた前の人がとても速かったのにつられたのか前日の最終レッスンよりもかなり速いテンポで弾き始めてしまいました。緊張した中で自分のテンポを保つことは非常に難しいことですが、これについてこの先 発表会や来年のコンクールや演奏会に向けて他の生徒さんにもどのように教えて行ったら良いか、工夫が必要だと感じました。