ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

神業タクシー

 先週末は、15日に弾くベートーヴェンの「皇帝」の最後の仕上げのレッスンのため東京に行っていました。帯状疱疹から復活して初めての東京です。だいたい回復しましたが、1か月前は寝て暮らしていたわけで本当に行って大丈夫かと少々緊張していました。今回は藤野教室のレッスンが終わってからの夜のフライトだったので、レッスンが終わってすぐにタクシーアプリでタクシーを呼ぼうとしたのですが…

 まったく応答がありません…

 荷物が多くて路線バスには乗れないわ、時間はどんどんたって行くわで焦った私は近くの生協まで行けばタクシーがいるかも知れないと思い、キャリーバッグを引きずってマイナス5度の寒気の中を走りました。国道のところで信号待ちしていると1台のタクシーが反対方向に向かってやってきました。わらをもつかむ思いで拾ったのですが、反対方向に予約が入っているとかであえなく乗車拒否…もう怒る気力もなく泣きたかった…まだ身体を寒風に当ててはいけないと言われていたので、最悪の旅の始まりです…

 

 バス停のところでしばらく待ちました。もう一度スマホを取り出してダメモトでアクセスすると、今度は繋がって無事にタクシーが来ました。

 しかし、いつもの真駒内駅までタクシーで行って、そこから札幌駅経由で空港に向かう方法ではもう間に合いません。この日のフライトは20時、札幌駅経由で行くためには17時57分に真駒内駅を乗らなくてはならないのです。なのにこのときすでに18時を過ぎていました。

 20時の便の乗るためにはもうたった一つしか方法が残されていません。私は運転手さんに地下鉄の福住駅に行ってくれるように頼みました。ここからは18時29分発の空港バスがあります。タクシー代は4000円くらいかかりますが、早割の航空券を払い戻して新たに買い直すよりは安いはずです。間に合うかどうかは微妙な状態…

 「行ってみましょう。急いで運転しますのでシートベルトをして下さい」運転手さんの頼もしいお言葉…

 しかし、夕方の渋滞でタクシーは思うように進みません。一車線の道路でどうも3台前を走っている車が遅いらしい。道路はアイスバーン、無理もない…

 「こういう車は全体の流れを妨げていますね。非常に邪魔です」

 耳の痛い一言…

 このお邪魔虫(自分も同じなクセにすみません)が曲がってしまった後、タクシーはいきなりスピードを上げ、65キロに…この滑る道路で65キロなんて信じられなかったのですが、神業の腕前で見事18時24分、タクシーは福住駅前に到着しました。

 この後、無事にバスに乗れましたが、空港への到着は遅れ、結局ギリギリで何とか20時の便に滑りこみました。この日次の21時の便は機材到着遅れのため、1時間以上の遅れが生じていましたので、本当に間に合って良かったですね。

 

 機内で食べたかにめしのおいしかったこと…