札幌市内の中学校では今 多くの学校が合唱コンクールのシーズンを迎えています。
「やっと合唱コンクールが終わりました」と久しぶりにレッスンに来たのは中学2年の生徒さん(男子)です。
彼は昨年の伴奏者に続いて今年は指揮者に選ばれました。自分のタクトでクラスみんなの歌声を合わせることの難しさ…ひとりで弾くピアノと違って なかなか思ったように皆が声を出してくれなかったりする苦労を味わいながらも、積極的に指揮に取り組んでいたようです。
ひとしきりコンクールの話をしたあと1曲目を弾いてみると、伴奏である左手が大きすぎて右手のメロディーがよく聞こえない…
グランドピアノの場合 ピアノに向かって右より左の方が奥行きがあります。つまり左側の方が弦の長さが長いわけで、気をつけないと音量のバランスが悪くなってしまうのです。
そこで私は彼に聞いてみました…
「もしこの曲が合唱の曲だったら どのパートを一番出したいと思う?」
彼はしばらく考えて「やっぱりソプラノですね…」
2回目に弾いたときは バランスの悪さはピタリと直っていました…
指揮者をつとめたことは 彼にとって本当に大きなことだったと思います。私が100回口頭で注意するより、一度ですべてがわかったのですから。
他の中学生でも合唱コンクールで頑張っている人が何人もいます。折角伴奏者に選ばれたのに 指揮者とうまくコミュニケーションが取れずに苦労する人も…
みんな いろいろな苦労を糧に成長していってくれると、とても嬉しいですね…