ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

金沢

 10月24日から25日にかけてパーヴェル・ネルセシアンの日本ツアー最終公演を聴くため、金沢に行って来ました。
 初めは行くかどうか迷っていましたが、東京公演(10月23日)を聴いて、25日に東京で主催者の歓送会に出る予定でした。24日が丸々空いてしまうので、どうしようかと思っていた矢先、
 「北陸新幹線、いいよーっ!」
と聞いて、鉄道オタクの私は「よし、金沢も行こう」となってしまいました。
 北陸新幹線の一番速い列車は「かがやき」で2時間半で金沢に着くのですが、この日は「かがやき」は朝と夕方しかなかったので、長野から各駅に止まる「はくたか561号(11:30上野発)」にしました。
 上野駅で待っていると、最新型と思われるピカピカの車両がホームにすべりこんで来ました。

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 お昼時なので駅弁を買って、車内でゆっくりお昼をいただきます。

 14:20、金沢着、なるほど速いですね。前回金沢に来たのは20年近く前、そのときは確か上越新幹線で長岡乗り換えだったので、その速さに驚くばかりです。
 
 まず、宿泊場所であるANAクラウンプラザ金沢へ。以前にコンサートで釧路に行ったときに同系列のホテルに泊まり、そこの朝食が忘れられなかったのですが、通常の料金ではとても手が出ない…ネットでいろいろ探してみると、予約時にクレジットカード番号を登録して、キャンセルしたときは100パーセントのキャンセル料を払うというハイリスク、ハイリターンのプランが見つかりました。
 なるほど立派…ロビーのシャンデリアが素敵です。

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一休みしたあと、ガイドブックを見ながらバスで兼六園に向かいました。

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 歴代の加賀藩主によって造られた兼六園は、北海道ではあまり見ることのできない純日本庭園、向かいには金沢城…歴史の重みを感じます。

 一通り園内を回ったあと、金沢の中心街、香林坊に向かって歩きました。漆細工、和菓子、観光案内などの店が並んでいます。その中で帯や和服の生地で小物を作っている店に入りました。トートバッグ、イヤリング、ポーチなどさまざまなものが並んでいます。
 みんな欲しくなってしまったのだけど、これから東京に戻って、そこから札幌まで帰ることを考えると大きなものは買えない…あれこれ見ていると、ポケットチーフに目がとまりました。何でも世界一細い糸で織っているのだそうで、その柔らかさは、本当にもうふわふわ…
 少し高かったのでその日は買わないで帰ってきたのですが、夜、パーヴェルのこの世のものとは思えないような柔らかい音を聴いたらなぜか思い出してしまって、翌日また香林坊へ…旅の思い出に1枚手に入れました。

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 金沢って歴史ある建物と新しい建物が見事な調和を保っている街なんですね。そして、何だか空気がとても柔らかい…

 パーヴェルのコンサートはやはり圧巻でした。楽屋に会いに行くと、このツアーの間中ずっと緊張した表情を崩さなかった彼は、今までになく穏やかな顔をしていました。
 例のポケットチーフ、彼にプレゼントしようかとも考えたのですが、ロシアではハンカチを贈ることはタブーとされているので、もしかしたらこれもまずいかも知れないと思い、自分へのおみやげにしました…