ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

足台

 東京に住む妹から久しぶりにメールが…姪(妹の長女 小学校5年)がピアノのレッスンで使っていた足台がそろそろ窮屈になってきたようだけどどうだろうか、という内容、足台を取った形でピアノに向かう姪の写真が添付されていました。来月の20日に発表会を控えていて、練習にも熱が入ってきているようです。

 ん?そういうことはピアノの先生が教えてくれないの?

 小さいお子さんがピアノにむかうとき 椅子に座ると足が床に届かないので、たいてい足台を使って足がブラブラしないようにします。(足がブラブラしたままにしていると体を安定させるため、椅子のどこかに足を引っ掛けて弾く癖がついたりするので、教室でのレッスンでは必ず使っています)

 大体 小学校3~4年生くらいで足が床につくようになって足台なしで弾けるようになるのですが、この切り替えには神経を使います。
 なぜなら 足台を取ると 足台を使っていたときに比べて椅子に浅く腰掛けて弾かなくてはなりません。今までとすわり方が変わるので、落ち着かなかったりお尻が痛くなったりで手の方がおろそかになってしまうこともあります。

 ですから うちの教室では発表会の直前に足台を取ることはしません。遅くても3ヶ月前には決めて 生徒さんによく説明し、毎週のレッスンでよく見ながら取るようにしています。発表会3ヶ月前を過ぎたら 足台を取るのは発表会の後にします。大抵 皆自分の実力より少し上の曲に挑戦したりしていますので、いきなりすわり方が変わって慣れない状態で発表会を迎えるには良くないと考えています。

 しかし…この時期は早く大人になりたい年頃…浅く腰掛けるようになってお尻が痛そうでも皆「痛くない!」と頑張るのです。(可愛いねえ…)足台なしで弾くのはやはりみんなの夢のようです。
 3月生まれでひときわ体の小さなうちの姪は5年生になってやっと足台なしで弾けるのだけど、どんなにかこの日を心待ちにしていたことか、と思うのです。