ピアノのある部屋から

ピアニスト、中添由美子がピアノのこと、教室のレッスンのこと、ロシアのこと、その他日々のいろいろを書き綴ります。

エセーニン

 私がロシア語を習っているところには 毎年9月に「詩のつどい」という催しがあります。これは受講生が皆でロシアの詩を暗誦するものです。今年の題は「ロシアの自然」。以前は毎年のように出ていましたが、今年は5年ぶりに出てみることにしました。

 「誰か希望する詩人がいますか?」とタチヤーナ ゲオルギエヴナに聞かれ、私はエセーニンの詩を希望しました。なぜなら 今まで全く勉強したことがなかったので。詩は次の週までに選んでもらうことに。

 さて…希望したけれども私はエセーニンのことを全く知らなかったのです。それでまず 札幌市中央図書館へGO!ここでエセーニンに関する書物を借り、家に戻ってインターネットも開いてみる…
 エセーニンの生涯をはじめ いろいろなことがわかってきました。
 1895年生まれ、1925年没。貧農の家に生まれ、ロシアの農村と農民をあらわした人、有名なアメリカ人ダンサー イサドラ ダンカンの夫、(これは全く知らなかったので本当に驚いた…)最後はイサドラにも捨てられ、アル中とひどい神経症を患い、自分の手首を切ってその血で最後の詩をしたため、自らの首をつって果てた…

 うーん…なるほど…

 初期の作品はロシアの自然が漂ってくるようなさわやかなものがあるのだけど、晩年は 病気を象徴するような暗い 出口の見えない感情をあらわすものが多い…そして なぜか今こういうのにひかれる…(でもこれじゃ「ロシアの自然」というお題にははまらないよなあ…)

 いきなりロシア語では読めないので、日本語とロシア語を照らし合わせて何度も何度も読む…

 はまり込んでしまった…
 
 翌週 ロシア語に行ってみると、タチヤーナ ゲオルギエヴナが私のために選んでくれていたエセーニンの「白樺」(Береза)はすでに他の2つのクラスの人が読むことになってしまったので、かわりにスーリコフとフェートの詩を用意してきてくれたのですが、私があまりにエセーニンにはまり込んでしまったので今ひとつやる気が起きないということに…

 困ったなあ…